Naoにぃのブログ(仮)

ブログ始めてみました。

浅倉大介関連作品復刻版を買いますた。そしてその感想。

気がついたら約3ヶ月ぶりの更新ですよ。

さて、リクエストもありましたので今日のこの話題について。

accessをはじめとする浅倉大介プロデュース作が、一層原音に忠実な高品質CD規格『Blu-spec CD2』にて一挙復刻!
http://www.hmv.co.jp/fl/10/604/9/


先週11日に浅倉大介accessIcemanのアルバムが揃って再リリースされますた。
で、今日はコレの感想とBSCD2やらに纏わるちょっとした事を書こうかと思います。
(とは言え、音の専門家ではないので、間違いもあるかもしれませんのでお手柔らかに)

さて、率直な感想ですが、傾向としては2つ感じられました。

1つは音圧が低いもの(特に90年代前半のもの)を上げる、
もうひとつは音の輪郭をはっきりさせ奥行きを作る、
この2点が特に大きく変わっていました。

この為、D-Trick、access初期の3枚のアルバムに関しては顕著に音が変わっています。
試しにいくつか旧盤と波形データを比べてみましたが、明らかに変わっているのがわかるかと思います。
上の波形が旧盤、下の波形がリマスター版です(緑がLch、赤がRch)。

FAST ACCESS よりSENSUAL GLIDE
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DELICATE PLANET より夢を見たいから -West Side Mix-

 

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これが2013年リマスター処理を施された効果なんですね。
当時大ちゃんがライブを行う際に
「デジタルで打ち込みだからMIDIで鳴らしたデジタルな音は
 CDで鳴る音と変わらないと思っている人に対して、
 全然違う音がなっているという事をわからせたい」
と言って現場でMIDI音源の生音を鳴らすことに拘っていたのもよくわかります。
この為、浅倉大介ソロ盤、access盤に関しては買いなおしをオススメします。


ただ、曲によっては効果が感じにくいものがあると思われます。
特にIcemanのDigirythm Mutationの頃には
当時の大ちゃん曰く、
「デジタルレコーディングした音の真空パック」
と言うくらい、HDDレコーディングが標準化しており、
ギターの音も録音したら直ぐにHDDでデジタル処理を行って制作していたそうです。
この為90年代前半に出していたアルバムと比べて明らかに原盤の音圧が違っています。

リマスター盤では前述の傾向にしたがって音が変わっていますが、
奥行きが増した事によって、「音の真空パック」と呼ばれたものとは
ちょっと違うんじゃないかな?と思うものがありました。
僕はどちらかというと、フラットな音の方がこの作品にはあっていると感じました。

他にGATE IのStrike Back of PSYCOでは当時の立体音響技術を駆使して、
ステレオスピーカーで聴くと3次元空間を高速で駆け抜けてるような感触があったのに対し、
普通に整理された音、のような印象を受けました。

この為、Icemanに関してはじっくり聞き比べしたらわかるけど、
言われないと差がわからないレベルだったり、どっちかと言うと原盤の方が好みだ、
と言う人がいるんじゃないでしょうかね。。。これは好みが分かれると思います。

音の感想としてはこんな感じです。
まだ全曲をじっくりと聴き込んだわけではないので、
これから印象がかわるかもしれませんが、参考までにどうぞ。

あとはパッケージについて
・D-Trick / ELECTROMANCER
これは通常版の復刻ですね。
D-Trickは再発版じゃなくて初期盤です。
トレカも初期の初々しい大ちゃんがw

・FAST ACCESS / ACCESS II / DELICATE PLANET
FASTとDELICATEは初回限定版のブックレットが復刻されていますね。
ACCESS IIは通常版で差し替えジャケットなし、
銀箔刻印してた箇所も普通にグレー色でプリントされていてちょっと物足りないです。

復刻にあたり、当時の刻印されていたクレジットは原則そのままとなっていますが、
一部表記はGT / Sony Musicになっていたり、
FUN HOUSEは今は存在しないため、現在のAriola Japan表記に変わっていますね。

個人的にちゃんとやってるなーと思ったのは、
FAST ACCESSのアルバムで復刻版で追記されたクレジット覧のフォントが
当時のフォントを意識して追記されているところですかね。
こんなとこまで見て気がつく人って少ないと思うんですけどwwww

・POWER SCALE
当時の初回特典三方ケース、および写真集ブックレットはなしです。
この為、歌詞カードに3人の姿があまり映っていない(;_;)

・Digirhthm Mutation
当時の初回特典オレンジスリーブケースはやっぱりなしです。

・GATE II
これだけ何故か帯の位置が逆・・・
初回特典の赤のラインが入ったスリーブケースは復刻されず、
3人が写っているジャケットサイズの紙もなし。
一応同じ写真を使ったトレカが初回特典で封入されています。

・GATE I
初回特典の黒のラインが入ったスリーブケースは復刻されず、
3人が写っているジャケットサイズの紙もなし。
一応同じ写真を使ったトレカが初回特典で封入されています。

・GATE // white
初回特典の白のラインが入ったスリーブケースは復刻されず、
3人が写っているジャケットサイズの紙もなし。
一応同じ写真を使ったトレカが初回特典で封入されています。
そして当時のライブの写真や意味深なコメントムービーが見れたCD-EXTRAは収録されていません。
当時所属していたAntinosのHPへのリンクコンテンツもあったので、
仕方ないのかな~と言う感じですが。


そして今回の復刻に伴い、
AppleiTunes、SonyのMoraでも配信が始まりました!
僕自身はDLしていないのですが、おそらくリマスター盤がベースになっていると思います。

しかしさ、、、1曲250円でアルバム1枚2000円って売る気ないよね・・・(毒)

iTunesでも配信が始まったことで、ジャケット写真のダウンロードが可能になったことは地味に嬉しいことだったりしますw

しかし、accessはともかく、レーベル関係であれこれあったIcemanが復刻され、
配信でも入手できるようになったことは非常に嬉しいと思います。
この勢いで、大ちゃんはLANDING TIME MACHINEを、
accessは3部作を、IcemanはGATE OUTとSingle曲も再リリースしてもらいたいものです。
※できればIceman、DA's PartyのDVD/BDでの復刻も・・・無理か?

と言う訳で、復刻版の感想ですた。


■■■蛇足的解説■■■
Sonyさんの一連の流れとして、昔売れた名盤を復刻させようと言う流れがありまして、
今回この浅倉大介関連10作品が復刻された訳ですよ。
で、前述のようにただ復刻させるだけじゃなくて、一部アルバムに関しては2013年今の技術でリマスターを施し、
そしてSonyさんの売りにしたがっているBlu-spec CD2でリリースする、と言うことになっています。
ここから、①2013年リマスター、と②Blu-spec CD2(以下BSCD2)の2点について解説しましょうか。


■解説
①2013年リマスター
D-Trickやaccess初期作品がリリースされた頃、ってもう20年以上前のアルバムですから、
当時の技術だとレコーディング時に鳴っている音全てを収録する、というのは難しかったりもしたんです。
低音とか埋もれてたり、他の音を強調すると音割れしたりと。

その為、90年代前半の楽曲は音圧が低めに抑えられていたりするのはそういうトコが理由だったりします。
昔のCD再生した後に最近のCD再生すると音量変えていないのに音デカッ!って思うのはその差だったりします。

かつて、TM NETWORKのhuman systemをリリースした時に小室哲哉さんが
「(音量は低いけど)このバランスで聴くのが気持ちいいから」と言っていたのは
当時の技術の限界を知った上で抑えていたんですね。

なのでマスターテープにはもっといい音で残っているので、
当時の技術ではできなかったマスタリング処理を施してあげよう、と言うのが
この2013年リマスターなのです。
実を言うと、今回の再リリースで音が良くなった、と言われるのは95%がココだと思っています。

Blu-spec CD2
CDはデジタルで音楽が記録されています。
実は目には見えませんがCDににはものすごい数の小さな穴が開いています。
このデジタルの記録方法って言うのが、レーザーを当てた時に光が反射するかしないか、で判定しています。
(盤面がプリントされていない銀板になっているとこを光にかざすと透けて見えるのがわかります)
穴が開いていたら反射しない、開いていなかったら反射して帰ってくる、
それを0,1のデジタルとして扱い処理してます。

ちなみにCD-Rに関してはレーザーで盤面にある色素に焼きこみを行い、
光の反射率を変えることで読み取りを実現しています。

ですが、従来のCDを作る工程ではこの穴の精度に限界があったのですね。
その為、誤って読み取ってしまう、と言う事がありました。
CDプレイヤー内部では誤って読み取ってしまっても
間違いをある程度修正することが出来るようになっているのですが、
あまりに誤りが続くと音が変わってしまう、と言う事があります。(俗に言うジッター)

この問題に対してBlu-rayで培った技術をCDに持ち込んだのがBlu-spec CDなのです。
それの進化したものがBlu-spec CD2なのです。
http://www.blu-speccd2.jp/

CDプレイヤーでは等倍で読み込み再生を行う場合がほとんどですので、
安定して読み込みが行えることで読み込みエラー発生を抑え、
音質が改善される事が期待されます。

と言う訳でこの2つの技術をもって音質向上を図ったのですね。

で、ですよ。
TL見てたらちょっと違うんだけどなー、と思うのが。
BSCD2ってすごい!音がいい!って言う感想なんですよね。

確かにBSCD2は通常のCDに比べて読み取り精度は増したんですけど、、
音が変わっているのは明らかにリマスター効果の方であって、
BSCD2ではないと思うんですよね。BSCD2の音がいいか確かめるには
リマスター盤をCD-Rなりに焼いて比較してみるとわかるかと思います。
(CD-Rの焼き方も色々ありますが、長くなるのでここでは省略)

Audio CDって元々、回転させつつレーザーで読み取っている仕組みなので、
外光と振動にめっちゃ弱くて、それだけでも音が変わるんです。
で、一定の速度でデータ転送をしないといけないので、明らかに不利なんですよね。
読み取りミスしてもエラー修正している間に次の音を鳴らさないといけない。

じゃ、パソコンに取り込みする時はどうなの?と言われると、
パソコンではデータを正確に転送できればよいので、
極端な話、時間がかかってもじっくりエラーを修正すればいい。
だからパソコンに取り込む時はBSCD2でもCD-Rでもほとんど差は無いんです。

そしてAudio CDって30年前に作られた規格なので、
今のパソコン上のデータの扱いの方が圧倒的に正確なんですよ。
Audio CDよりもWAVファイルが書き込まれたUSBメモリの方が
外部からの影響を受けにくい分、正確に音の情報を伝えられる。

正直なところ、iPodWalkmanなどのデジタルオーディオで音楽を聴く人が多くなっている今、
BSCD2で恩恵を受ける人って少ないんじゃないかな、と思っています。

そして、音質うんぬんを言うのであれば、
DVD-AudioだったりSA-CDだったり、ハイレゾ音源配信だったりと、
CDと言う古い規格では収録できない音を保存できる方法があるので、
そっちに行くべきだと思うんですよ。

実際、大ちゃんもそういう事を雑誌とかで10年前から言ってるし、
21st Fortune DVDでは44.1khzではなく、48khzで収録されている事も強調していました。
(これはどっちかと言うと5.1chでの3次元空間を表現した音がメインでしたが・・・)

小室さんも8年前に高音質配信にチャレンジしていました。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050811/usen.htm


高音質を謳うのであればそちらの方向へシフトして行くべきだと思います。
「高音質」ではなく「高品質」CD規格と言ってごまかして、
同じ音源を何枚も買わせて、BSCD2音源を128kbpsで取り込んだ音源を聴きながら
Blu-Spec CD2って音がいいんだっ!すごい!」
なんて言っている人を見ると、こういう錯覚をさせるのはちょっと違うと思うんですよねー。
SonyさんもiTunesに配信で参入したから、「CD」を売るにはどうしたらよいのか、
と悩んで取っている行動のひとつとは思うんですけど、
もうちょっと「良い音楽」を体験出来る事に注力して欲しいんですよねー。

しかし世間の大多数の人はケータイの着うたとかで満足している、
という現状があったりするので複雑な気持ちです。

長々~となりましたがひとまずこんなところで。